不動産の評価額と一口に言っても、「路線価」「固定資産税評価額」「実勢価格」と、場面によって異なる基準があります。相続や売却のときに「評価額と実際の売値が違うのはなぜ?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、各評価額の仕組みと役割の違いを整理し、実務での活用方法を解説します。
目次
- 1.不動産評価額の3つの基準とは?
- 2.路線価とは|相続税・贈与税に使われる評価
- 3.固定資産税評価額とは|税金計算のベース
- 4.実勢価格とは|実際の市場での取引価格
- 5.評価額の違いを比較|なぜ価格差が生まれるのか
- 6.評価額を理解しておくメリット
- 7.現場のプロが見る「評価」と「売れる価格」
- 8.まとめ|評価額は“数字”より“目的”で使い分ける
1.不動産評価額の3つの基準とは?
不動産の価値を示す数字には、実は複数の「評価基準」があります。代表的なものが次の3つです。
- ① 路線価:相続税・贈与税の計算に使われる
- ② 固定資産税評価額:固定資産税・不動産取得税などの計算に使われる
- ③ 実勢価格:実際に市場で売買される取引価格
同じ土地でも、これら3つの金額は大きく異なります。たとえば、ある住宅地で「実勢価格が3,000万円」の土地でも、路線価はその8割、固定資産税評価額は6割程度というケースが一般的です。
それぞれの「評価額」は、目的が異なるために違いが生じているのです。
2.路線価とは|相続税・贈与税に使われる評価
路線価とは、国税庁が毎年公表する「相続税や贈与税の課税基準」です。道路(路線)ごとに1㎡あたりの価格が設定され、その金額に土地の面積を掛け合わせて土地の評価額を算出します。
例えば、取手市戸頭駅周辺のある通りで路線価が「10万円/m²」と設定されている場合、100m²の土地は 10万円×100m²=1,000万円 が評価額となります。
ただし、路線価はあくまで「時価の80%前後」とされ、実際の取引価格より低めに設定されています。これは税金を計算するための“公平な基準”を設ける目的があるためです。
👉 路線価図は国税庁の公式サイトから誰でも確認できます:
財産評価基準書 路線価図・評価倍率表(国税庁)
3.固定資産税評価額とは|税金計算のベース
固定資産税評価額は、市区町村が3年ごとに見直して決定する金額で、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税などの計算に使われます。
一般的に、固定資産税評価額は実勢価格の70%前後。評価は「土地の形状」「利用状況」「接道条件」などをもとに市役所が行います。
所有者は毎年5月頃に届く「固定資産税納税通知書」に記載された評価額で確認できます。もし「評価が高すぎるのでは?」と思った場合には、評価替えの申出を行うことも可能です。
ただし、固定資産税評価額は売却価格とは直接関係しません。これは「課税の公平性」を目的とした行政上の評価だからです。
4.実勢価格とは|実際の市場での取引価格
実勢価格とは、実際に市場で取引された価格のこと。つまり「買主が支払った金額」そのものです。この金額は常に変動しており、需要と供給・金利動向・地域人気などによって日々変わります。
実勢価格を把握するには、成約事例を見るのが有効です。 たとえば、当社では、取手市・守谷市エリアの過去成約データをもとにした価格相場マップを活用し、より現実的な査定を行っています。
5.評価額の違いを比較|なぜ価格差が生まれるのか
ここで、3つの評価額の違いを整理してみましょう。
| 評価の種類 | 主な用途 | 算定機関 | 価格水準(時価比) |
|---|---|---|---|
| 実勢価格 | 実際の売買 | 市場(買主・売主) | 100% |
| 路線価 | 相続税・贈与税 | 国税庁 | 約80% |
| 固定資産税評価額 | 固定資産税など | 市区町村 | 約60〜70% |
つまり、評価額の違い=目的の違い。税金のための評価は安全側(低め)に、取引のための価格は需要に合わせて決まります。
6.評価額を理解しておくメリット
評価額を理解しておくことは、相続や売却時だけでなく、資産形成やローン計画にも役立ちます。たとえば:
- ✔ 相続税の試算を事前に把握できる
- ✔ 不動産の売却や贈与の判断がしやすくなる
- ✔ 固定資産税の妥当性を確認できる
- ✔ 住宅ローン担保としての資産価値を理解できる
特に相続や贈与を控える方は、当社の 相続・税務カテゴリー の記事を併せて読むと、より実務的な理解が深まります。
7.現場のプロが見る「評価」と「売れる価格」
評価額の数字は机上の計算で導き出せますが、実際に“売れる価格”を判断できるのは現場を歩く不動産のプロだけです。
税理士や会計士は「評価できる人」ですが、不動産会社は「市場で動かせる人」。評価は“過去と理論”を見ますが、売却提案は“今と未来”を読む。だから、いくらで売れるかを判断できるのは現場の不動産業者しかいません。
当社では、取手市・守谷市・つくばみらい市を中心に、「理論+現場感」を融合させた価格提案を行っています。 単なる机上査定ではなく、地域の実勢データと販売経験をもとに、本当に売れる価格をご提案します。
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8.まとめ|評価額は“数字”より“目的”で使い分ける
不動産評価額は「1つの正解」があるわけではありません。税金のための評価・取引のための価格・会計上の価値など、目的によって基準が変わるものです。
大切なのは、「この評価額は何のための数字なのか?」を理解しておくこと。 そのうえで、実際の売却や活用を考えるときには、現場を熟知した不動産会社に相談することが最も確実です。
迷ったら、地元密着の不動産業者へ。取手市・守谷市・つくばみらい市の不動産相談なら、株式会社たくみ総合企画 におまかせください。
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