土地探しやマイホーム計画を進める中で、必ず耳にするのが「市街化区域」と「市街化調整区域」という言葉です。
一見似ていますが、この二つは都市計画法によって明確に区分されており、家が建てられるかどうかや将来の資産価値に直結します。
さらに守谷市や取手市では、それぞれの市独自の例外制度があり、通常は家が建てられない区域でも一定条件を満たせば建築可能となります。
この記事では、株式会社たくみ総合企画 代表(公認 不動産コンサルティングマスター資格保有)の羽生利夫が、一般の方にもわかりやすく、守谷市と取手市の制度を含めた市街化区域と市街化調整区域の違いを解説します。
目次
- 市街化区域と市街化調整区域とは?
- 守谷市の「自己用住宅等」許可基準
- 取手市の「区域指定」制度
- 守谷市と取手市の制度比較
- 対象かどうかを調べる方法
- メリット・デメリットと資産価値の違い
- 土地購入時のチェックポイント
- まとめ|専門家に相談を
1. 市街化区域と市街化調整区域とは?
市街化区域は、すでに市街地を形成しているエリアや、今後おおむね10年以内に市街化を進める区域です。道路や上下水道などのインフラが整っており、原則として建物を建てられます。
市街化調整区域は、都市の無秩序な拡大を防ぐために設定された区域で、原則として建物は建てられません。例外的に許可を受ければ建築できる場合がありますが、その条件は厳しく制限されています。
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2. 守谷市の「自己用住宅等」許可基準
守谷市では、市街化調整区域であっても、一定の条件を満たせば自己用住宅(自分や家族が住むための住宅)の建築が認められます。
主な条件
- 建物の用途:自宅、店舗併用住宅、共同住宅の一部
- 規模の制限:延べ床面積200㎡以下、高さ10m以下
- 道路条件:幅4m以上の道路に接していること
- インフラ条件:上下水道が利用できること(公共下水または合併浄化槽など)
- 申請者の資格:地元に一定期間以上居住、または親族が居住しているなど
- 特筆条件:申請地と同一字内又は隣接大字内に10年以上、都市計画法に違反しないで居住していた者
特に「地元とのつながり」が重視され、線引き前からその地域に住んでいる人や、その親族が優先されます。逆に言えば、全く縁のない方が守谷市の調整区域内で建築することはほぼ不可能です。
3. 取手市の「区域指定」制度
取手市では、市街化調整区域の一部を「区域指定」として、誰でも住宅を建てられる区域に指定しています。
主な条件
- 市街化区域に隣接または近接していること
- 50戸以上の住宅が連なっている集落であること
- 宅地率が40%以上であること
- 幅5.5m以上の幹線道路が区域内にあること
- 上下水道が整備されていること
この制度では、地元住民に限らず、区域内の土地を購入すれば建築可能です。
4. 守谷市と取手市の制度比較
項目 | 守谷市 | 取手市 |
---|---|---|
建築できる人 | 地元住民や親族など条件あり | 区域指定内なら誰でも可 |
必要な条件 | 用途・規模・道路・インフラ・申請資格 | インフラ・集落規模・道路条件 |
柔軟性 | やや厳しい(地元優先) | 条件を満たせば制限なし |
5. 対象かどうかを調べる方法
- 自治体の都市計画課で区域図を確認
- 国交省全国都市計画GISビューア(試行版)で検索
- 不動産会社に相談(例:住宅購入前の資金計画|安心のマイホーム購入を叶える6つのステップ)
6. メリット・デメリットと資産価値の違い
守谷市制度のメリット
- 地元とのつながりがある人は建築しやすい
- 地域コミュニティの維持に役立つ
守谷市制度のデメリット
- 資格がないと建築不可
- 手続きが複雑
- 将来売却時に買い手が限られるため、市街化区域と比べ資産価値が低くなることがある
取手市制度のメリット
- 指定区域なら誰でも建築可能
- インフラの整った集落で安心
取手市制度のデメリット
- 指定区域外は制限が厳しい
- 市街化区域に比べ、資産価値の伸びは限定的
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7. 土地購入時のチェックポイント
- 対象自治体の制度の有無を確認
- 守谷市は資格条件、取手市は区域条件を重視
- インフラや道路幅を事前に調査
- 将来の売却価値も考慮
8. まとめ|専門家に相談を
市街化調整区域であっても、守谷市や取手市のように例外的に建築できる制度があります。
ただし、適用条件は自治体ごとに異なり、手続きも複雑です。また、将来売却時の資産価値が市街化区域より低くなる可能性があることも理解しておきましょう。
購入前に必ず条件を確認し、不安があれば専門家に相談しましょう。
取手市・守谷市・つくばみらい市での土地購入や制度相談は、株式会社たくみ総合企画 代表(公認 不動産コンサルティングマスター資格保有)の羽生利夫までお気軽にどうぞ。